会社に勤めていた28歳の時、
外回りの営業になった。
その時の私は、
精神的などん底から少し這い上がってきていた時だったので、
チャンスだと思った。
まったく新しい人間関係が築ける・・・
そうしたら、今までの私を知らない人ばかりなので、
過去のことを気にすることなく話ができるし、
新しい自分を試すこともできると思った。
営業になって間もなく、
富士山のふもとの研修センターで、
営業担当研修を受けることができた。
全国から同世代の新人営業マン約50名が集まっての3泊4日の研修。
今でもその時のファイルは大切に保管している。
営業マンとしてにとどまらない、
素晴らしい内容の研修会だった。
一番印象に残っているのが、
『本心の看板』
営業先のお客さまの応答が
言葉では「イエス」でも、
おでこにある本心の看板を察知することが大事というもの。
実際には、おでこにはそんなものはないのだが、
研修の先生は、
おでこのところに両手で四角をつくって
本心の看板を教えて下さった。
例えば、
営業先の会社が仕事中限られた時間だけセールスしても良いことになり、
お客さまの傍に行って、預金あるいは融資の説明をしている時、
手を止めて話を聞いてくれたら、脈あり。
言葉で「良いねぇ」とか「わかった」と言うけれど、
仕事をしている手は止まっていない人は、脈なし。
この場合の本心の看板は、『手』だった。
研修から帰って、
実際の営業活動でその見分け方はおおいに役立った。
脈ありの顧客を探すことに戸惑いが無かったからだ。
そして、仕事だけでなく、
新しい人間関係でも本心の看板を察知して、
コミュニケーションが取れるので悩むことがなくなった。
もしかしたら、
婚活をしていて、
たくさんの出会いはあるけれど、
なかなか良い出会いが見つからないという人の中には、
相手の気持ちがつかめなくて、
みんなに同じように気を遣いすぎていたり、
反対に、どう向き合ったらいいかわからないから
遠慮したりさけたりしてしまっている人も多いのではと思う。
私がそうやって「本心の看板」について勉強できたように、
そういうことが勉強できる機会もあっていいのかなと思う。
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