毎週日曜日の愛媛新聞「読書」のページは、
毎週楽しみにしているところです。
今日は特に、すぐにでも読みたい!と思うラインナップでした。
その中で、『天翔る』村山由佳著の評では、
大人であってもこどもであっても、
生きていれば大切なものを失ってしまったり、
心ない他人の言動に深く傷つけられたりすることは起こり得る。
それでも何とか立ち上がって自分の人生を歩き続けるために、
人は何ができるだろう。
北海道を舞台に、
さまざまな傷を負った登場人物たちの魂の再生を描くこの物語は、
望み通りにならないことばかりのこの世にも、
小さな希望が光輝く瞬間があると信じさせてくれる。
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どんな傷も簡単には修復されないし、
都合よく癒されもしない。
だからこそ物語は焦ることなく登場人物たちの心に寄り添い、
北海道の豊かな季節の移り変わりを描くように
それぞれの変化をたどる。
恋愛小説の名手といわれ、
近作では濃密な大人の関係を描いてきた作者が、
純化された命の触れ合いに迫った本作はすがすがしく、力強い。
痛みや苦しみに彩られた日々の果てには
思いがけない喜びが訪れて、
それは未来へとつながっていく。
その奇跡のような一瞬を、
少女とともに読者もまたラストシーンで味わうことだろう。
評・川口晴美=詩人
この評を読んだとき、
まるで歌うように心にメロディーが流れました。
評に愛を感じましたし、
この本も作者の愛情が込められているように感じました。
GWゆったりと読書でもいかがでしょうか♪
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